転職。当たり前のように転職企業のCMが流れ、電車にも広告が貼られているこの現代においては他人事ではありません。
しかし当然ながら学校で転職について教えてくれる人はいませんし、今働いている会社で転職のやり方をレクチャーしてくれるはずがありません。転職したいなら自分で動くしかないのです。
とはいえ闇雲に転職活動をしても良い転職ができるはずがありません。
なのでここでは良い転職するべく、手順をまとめておきます。
長めの記事になります。もし転職面倒だなぁと思う方がいらっしゃいましたらこちらの記事を読んでみてください。→転職したいけど面倒だなと考える人はこうやればいいんだという話
1.自己分析をする
1−1.自分の現状を見直す
1−1−1.現状の不満を書き出す
そもそも自分が何故転職をしたいのかまとめておきましょう。
上司や先輩後輩など人間関係が嫌、仕事内容が自分に合わない、給料が低い、ライフワークバランスが酷い、自己成長が望めない・・・など現状の不満を書き出します。
そしてそれぞれについて今でも改善できないか考えてみます。これで解決できるなら転職しなくていいわけですからね。無駄に転職活動しなくてよくなります。
1−1−2.自分がやってきた仕事を書き出す
今の会社でやってきた業務、仕事内容を期間と共に書き出します。
その時何に苦労したのか、何を学んだか思い返すと尚良いです。
専門用語も沢山出てくるでしょうが気にせずまとめておきましょう。
1−2.転職条件を洗い出す
1−2−1.現状の不満から転職条件を見出す
書き出した現状の不満の逆があなたの転職条件となります。
そして転職条件の全てを満たすのは難しいかもしれないので、妥協点も考えておきましょう。定時で帰れるなら給料は多少下がってもいい、給料が高くて自己成長できそうなら残業しても構わない、などです。
逆に「これは絶対に譲れない」という条件も決めておきましょう。
1−2−2.経験から転職条件を見出す
自分が今まで何に喜びを感じたのか、どんなことにストレスを感じてきたのかを思い返します。
それによって転職条件を見出します。ストレスを感じるとわかっている会社に入っても仕方がないですから。
自分がどういった時に喜びを感じてきたかがわかればそれが「やりがい」という形で見えてくるので、変に聖人ぶらずにちゃんと自分と向き合いましょう。
2.業界分析・企業分析をする
2−1.業界を分析して絞る
2−1−1.転職サイトで様々な業界を調べる
そもそも今の職種を変える気がないのであればやらないでいいです。
変える気があるのであれば、まずはどんな業界、職種があるのか転職サイトで調べてみましょう。
どんなことをする仕事なのか、どんなやりがいがありそうか、どんなストレスが想定されるか、想像力を駆使しながら見てください。
2−1−2.実際に働いている人の話を聞く
転職サイトで多少なりともこういう仕事をしたいと決めたら、実際に働いている人から話しを聞きましょう。
求人サイトに載っているような情報は「ここで働きたい」と思わせるような、いわゆる良いことしか書かれていません。
友人などあなたの知り合いがその業界で働いていればラッキーですし、いなければ友人の友人などを頼ったり、異業種交流会などに参加するのもいいでしょう。リアルな話を聞くことが重要です。
2−2.企業を分析して絞る
2−2−1.転職サイトで絞る
どの業界にするか絞ったら企業を絞りましょう。
転職サイトにその企業に関する情報は載っているのでしっかり吟味しましょう。
年収はどれくらいか、自分のやりたいことができそうか、働きやすそうか、休日はどれくらいか、スキルアップできそうか、などなど自分が気になる点をチェックします。
会社で働いている先輩が書き込む口コミサイトも世の中にはあるので、そういったサイトも見ておきましょう。そこにはその先輩が何故転職したのかという理由が書かれていたりと、その会社で働く人の生の声が載っています。
2−2−2.お金の流れから絞る
企業はお金を稼ぐ集合体である以上どこからかお金を受け取っています。
飲食業などは私達のような消費者からお金を受けますし、IT業であれば作ったシステムを使う企業からお金を受けます。
この世の中お金の出し元はやはり立場が強くなりがちですので、自分が入ろうとしている会社がどこからお金を受け取っているかを理解しておくことでどこからの圧力に弱いか知っておきましょう。
自分が嫌だと言っても会社として嫌だと言えない状況がそれで想像できるので、そこから自分に耐えられそうなストレスか判断しておきましょう。
3.書類作成して応募する
3−1.履歴書を作成する
3−1−1.学歴と職歴を記入する
学歴は高校の卒業から書き、大学は学部や専攻もちゃんと書きましょう。
現職と大学の専攻がかけ離れている場合面接官も気にはなるので、就職活動の頃を思い出してちゃんと説明できるようにしておいた方がいいです。
職歴はどこの会社のどこの部署に入ったか書き、さらにどういった仕事をしていたか簡単に書いておきましょう。退職理由も簡潔に書けるのであれば書いておきましょう。無理なら「都合により」などで大丈夫です。
3−1−2.免許や資格を記入する
免許や資格はアピールポイントとなるようなものを書いておきましょう。
実務に絡むような資格や免許であれば忘れず絶対に書きましょう。
取得予定のものがあればいつ取得する予定なのかも含めて書きましょう。
3−1−3.志望動機を記入する
自己分析と企業分析をしっかりしていればあっという間に書けます。
何故その会社を選んだのか(他の会社じゃダメなのか明確に)、何故その仕事を選んだのか、自分の経験からその会社で何ができるのかをキチッと書きましょう。
3−1−4.自己PRを記入する
自分の強みをアピールします。自分のこだわりやこれまでの経験で得てきたことなどを書きます。
恥ずかしがらず、誇張し過ぎず、しかし自分は凄い人間だという意識で書いてちょうどいいです。
奇をてらったり笑いを取りにいくような愚行はしないとは思いますが、念のため大人であることを自覚てアピールしてくださいね。
3−2.職務経歴書を作成する
3−2−1.職務経歴書のフォーマットを決める
職務経歴書には一般的に3つのフォーマットがあります。1つ目は時系列に沿って書いていく編年体形式、2つ目は時系列を逆に辿っていく逆編年体形式と、3つ目はプロジェクトや業務内容単位で書いていくキャリア形式です。
単純にこれまでの経歴を順に辿ったほうが説明しやすいなら1つ目でいいでしょう。
最近のことをの方がよりしっかりとした説明がしやすく、アピールしやすいなら2つ目でしょう。
技術職や専門職のようにプロジェクト単位で仕事をしている場合は3つ目がいいでしょう。
3−2−2.職務経歴書を書く
どのフォーマットでも書くことはおよそ決まっています。
期間、業務内容、自分の役割、その仕事での実績などです。
自分がどれだけ有能な人間なのかアピールする最大の好機であり、転職先の会社でどれだけ即戦力として働けるかはここで見られます。当然ですが。
IT系であればOSや開発言語、開発ツールや使用したDBなど、専門職の場合はその道で使ってきたものも書きましょう。
3−3.応募する
3−3−1.求人情報から応募する
求人情報を転職サイトから得た場合はその転職サイトから、ハローワークなどで得たのであればハローワークでその求人に応募します。
応募方法はそのサイトなどに載っているでしょうからそちらを参照してください。
4.面接を受ける
4−1.面接準備をする
4−1−1.面接の日程を決める
応募して書類選考が通れば面接の日程調整をします。
働きながら転職活動をする人が多いでしょうから、お互いの業務に支障をきたさないよう日程を調整します。
最悪体調不良というウソをついて有給を取得する必要が出てくるかもしれませんが、自分の人生の転機なので気にしないように。
4−1−2.書類の説明をする
自分で書いた書類に関して細かく説明できるようにしておきます。当たり前ですがあなたのことはあなた以外知りません。
しかし面接ではグダグダと説明しても仕方がないので、自分で説明しながら要点をまとめておきましょう。
声に出しておかないと実際に喋る時に失敗する恐れがあるので、絶対に声に出して説明してください。
4−1−3.想定問答をまとめておく
面接なのですから、自分が面接官になったつもりでどんな質問が来るか予想しておきましょう。
自分の書類を客観的に見て「あれっ?」と思う所は面接官も思います。そういうところでされるであろう質問を考え、それに対する回答を書き出しましょう。
どれだけ客観的に自分を見ることができるか、面接官の立場で見ることができるかがポイントです。
4−1−4.実際に面接練習する
友人や家族に頼んで面接練習しましょう。やはり自分一人では限界があるので、実際に面接してもらうのがいいです。
できればこれから受ける業界で働いている人に付き合ってもらうのがいいでしょう。
最初は恥ずかしいかもしれませんが、最初だけなのでさっさとお願いしましょう。もちろんお礼も忘れずに。
4−2.面接を受ける
4−2−1.偽らず誠実に話す
ここまでしっかり準備していれば偽る必要はないですが、いざ面接となるとつい誇張してしまうものです。
多少の誇張は問題ないですが、嘘偽りはダメです。誰も得しません。
4−2−2.わからないことはわからないと言う
専門職になればなるほど専門的な質問もされます。その時に自分の知らないことも出てくるでしょう。
わからないことはわからないで仕方がないですし、実際に仕事をしていてもわからないことは調べる他ないです。
わからないことはわからない。勉強しておきます。それで落とされるのであれば自分のスキル不足なだけです。分相応な会社に入るしかないです。
4−2−3.不明点はちゃんと聞く
条件などで不明な点があればその場でちゃんと確認しましょう。
採用されてから想像と違うなんて悲劇は起こさないように、聞きにくいであろうお金の話もちゃんとしましょう。
お互い大人ですし、雇用という契約を結ぶことになるので当然面接官もお金の話をされるであろうと想定しています。
ここで変に情報提供を渋るようであれば何か言えないことがあると思っていいでしょう。もしくはあなたのことを一人の社会人として見ず、盤面の駒か奴隷か何かと勘違いしている可能性すらあります。
5.条件交渉する
5−1.内定が出た企業と条件交渉する
5−1−1.内定が出た企業同士で比較する
複数企業内定が出ている場合、どこに行くかは条件で決めることでしょう。
しかしそれぞれの条件を見比べているともう少しこうして欲しいという欲が出てきます。そうした時に条件を企業に対して改善してもらえないか交渉しましょう。
面接の段階でやっておくのもいいでしょうが、このタイミングでも問題はないです。ダメならダメだと言われるだけなので。
5−1−2.現職の企業と比較する
今働いている会社と比べ、条件として劣る点があるのであれば改善できないか条件交渉してみましょう。
不満な点というのはよく目につきやすいものです。元々は当たり前に享受していたことが享受できないことでストレスとなるくらいなら交渉しておいて損はないでしょう。
6.退職して転職先に入社する
6−1.退職する
6−1−1.事務的な退職手続きをする
上司へ退職願を出したり、健康保険被保険者証などの返却が必要なものを返却したり、雇用保険被保険者証や年金手帳などの受取が必要なものを受け取ります。
退職願は法律上は2週間前でいいようですが、一般的には1ヶ月前には出しておきたいところ。なるべく早いほうがいいです。
円満に、できれば惜しまれながら退職できるよう根回しはきちんとしておきましょう。
6−1−2.業務的な退職準備をする
仕事の引き継ぎや自分が作成した書類を分かりやすい所に置いておくなど、自分がいなくなっても問題が起きないように準備しておきます。
後で連絡がきても面倒なのでちゃんとしておきましょう。これも円満退職のために必要なことだと割り切り、最後の仕事だと思ってちゃんとやっておきましょう。
6−2.入社する
6−2−1.入社手続きをする
雇用保険被保険者証や年金手帳などの前職で受け取ったものや、給料を振り込み先など転職先で提出を求められた書類を提出します。
新しい環境に飛び込むのでドキドキ・ワクワクするでしょうが、はやる気持ちは抑えて漏れなく提出しましょう。
これで晴れて転職完了となります。新しい職場でも頑張って働いていきましょう。
終わりに
いかがだったでしょうか。
今回は転職の手順をまとめてみました。細かく説明すればもっと細かくなりますが今回はこれくらいにしておきます。
転職面倒だなと思った方はこちらの記事をどうぞ→転職したいけど面倒だなと考える人はこうやればいいんだという話
忙しくて時間がないという方はこちらの記事をどうぞ→転職エージェントは忙しいエンジニアこそ使うべきである理由
以上、ここまで読んでいただきありがとうございました。